当サイトの読者は『お金を稼ぐこと』を目的(WHY)とし、目的達成の手段(HOW)として『株式投資』を考えていると思います。
御存知の通り、株式投資には絶対に勝てる必勝法というものが存在しません。
各々が独自の理論を日々構築し、その理論をぶつけ合うことが株式市場の日常です。
そして、その理論こそが株式投資という手段を実行する上で最も重要です。
理論を身に着けてやっと「株式投資家」と呼ぶことが出来ます。
もちろん、理論を持たずしてマーケットに参入している方もいらっしゃいますが、その方々に対しては投資家とは呼ばず、「博打打ち」と呼んでいます。
理論構築の必要性
言わずもがな、手段の基礎となる理論の構築は目的(WHY)の達成には欠かせません。
理論構築の意義は「再現性」を担保することにあります。
理論構築=目的達成とはもちろんなりませんが、再現性を担保することで目的の達成・未達成の際の一つの尺度として扱え、手段の見直しや改善に一役買います。
よって、理論の構築が先んじて不可欠であり、『お金を稼ぐ』という目的を株式投資という手段で達成するのであれば、株式投資の理論を構築することが最も重要なことの一つとなります。
理論構築とは
目的(WHY)=『お金を稼ぐこと』、手段(HOW)として『株式投資』を前提とした場合、大枠では「インベストメント」と「トレーディング」、中枠では「市場」「業種」「銘柄」、小枠では「保有数」「保有期間」といった項目が理論構築を行う上でのポイントとなります。
そして、上記の大枠〜小枠の組み合わせを、目的達成までの許容時間に照らし合わせて最適化することを手段(HOW:株式投資)の理論構築と言います。
10年後に資産を2倍にすることを目的にしている方と、毎年7.2%の利回りを目的にしている方とでは、税金を考慮しない場合、10年後リターンは同じです。
しかし、目的達成までの許容時間が前者が10年、後者が1年毎と異なるため、そもそもの理論が異なります。
結局の所、目的は多種多様であることから、理論は自分自身で構築する他ありません。
理論構築の流れ
理論は仮説検証を繰り返すことで構築されます。
仮説には正解・不正解がないため、書籍等で得た知識や自分の経験をもとに、株式投資の初心者・経験者問わず気の向くままにシックリとくる仮説を立ててみましょう。
立てた仮説を検証する方法は月並みですがPDCAサイクルを参考にすることがシンプルで宜しいです。
<PDCAサイクル>
PDCAサイクルとはPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)を行うことで目標達成(=理論構築)を図る一連の流れです。
理論構築の流れを株式売買未経験者の立場に立ち、例として以下に示してみます。
<例:理論構築の流れ>
・仮説:1回目
毎週月曜日にトヨタの株を購入し、毎週金曜日に同銘柄を売却することで10%の売却益が得られる。
・検証:PDCAサイクル
Plan(計画):100万円の投資資金の全てを活用し、月曜日にトヨタ株を購入、同じ週の金曜日に同銘柄を全て売却することを1ヶ月続ける。
Do(実行):SBI証券などのネット証券会社を通じて、手数料を安く抑えることでより多くのトヨタ株を購入する。
Check(評価):売却益と売却損を計上する週が不規則に発生した。さらに、一度も売却益10%を得ることが出来なかった。
Action(改善):経済新聞を読むことで相場の理解を深め、強気相場と思う状況下の週のみにおいて、トヨタ株を購入してみてはどうか。購入と売却する曜日は月曜日と金曜日と変更しないものの、トヨタ株の値動きを考えると一週間で10%の売却益を見込むことは難しいため、期待する売却益のレートを低く見積もる必要がある。
・仮説:2回目
強気相場の週において月曜日にトヨタの株を購入し、金曜日に同銘柄を売却することで5%の売却益が得られる。
仮説検証と言葉を聞くと難しく感じると思いますが、堅い言葉に惑わされず「自分がシックリくるかどうか」を基準に仮説検証を継続することが理論構築を進めるコツです。
手段(HOW)の表裏
目的(WHY)の裏面(真理)が本能であることに対し、手段(HOW)の裏面は理論です。


WHYの裏面は本能であることから、「お金を稼ぐこと」を強く望むのであればWHYの表裏の整合性は保たれます。
しかし、HOWの裏面は理論です。そのため、理論が欠如している場合には表裏の整合性が保てません。
また、HOWの表裏の整合性が保てない場合、HOWに支えられているWHYも崩れてしまいます。
目的であるWHYをしっかりと支えるために、強固なHOWを構築する必要があります。
そして、HOWを強固にするための手段が理論構築なのです。